ショールームで帯のバッグをご覧になったお客様から、
よくいただくお声があります。
「見た目より、ずっと軽くて驚きました」
西陣織の帯を使ったバッグというと、
「しっかりしていそう」「重そう」という印象を持たれる方も少なくありません。
特に、下の画像のようなバッグは、
帯地の重厚感から「重そう」と感じられやすいアイテムです。

しぼ織のふわふわバッグ 葡萄唐草文/伊藤若冲の世界
〜なぜ、軽く感じるのか〜
1.帯自体が軽くなった
「帯は厚くて重い」というイメージがあると、帯地を使ったバッグも重そうに感じられますよね。
となみ織物の帯は、見た目の豪華さに反して、軽さ・しなやかさを意識して織られています。
実際に比較してみたところ、昔の帯が1,186g(約1.2kg)、最近のとなみ織物の袋帯が560gと、
約半分の重さになっていました。厚さも約半分に。
どのくらい違うのかは、動画でご覧いただけます。
2.帯地以外の素材も実用性を意識して制作
また、バッグとして仕立てる際には、
重くなりすぎない素材、実際に使うことを考えた構造を大切にしています。
利休バッグで使用している"ダックジュエル"が、その一つです。

こちらはレザーよりも軽い帆布(キャンバス)地で制作。
帆布そのままではカジュアル感が強くなってしまうため、生地表面を特殊加工し、
礼装からカジュアルまで使用できる質感に仕上げました。
ちなみに、お手入れは乾いた布で拭いていただくだけで十分なので、とても扱いやすい素材です。
「革の方が高級感があるのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、全面にレザーを使用すると、どうしてもバッグ自体が重くなってしまいます。
あえてレザーではなく、ダックジュエルを組み合わせることで、
・肩や腕が疲れにくい「驚きの軽さ」
・扱いやすい「実用性」
を実現しました。
もちろん、単に軽いだけではありません。
私たちがこの素材を選ぶ一番の理由は、「主役である帯地を、美しく引き立ててくれるから」です。
レザーにはない、布同士だからこそ生まれる一体感が、ダックジュエルにはあると思っています。
おわりに
実際に手に取られたお客様が、まず重さを確認するようにバッグを持ち上げ、
「あら、軽い!」
と表情を緩められる。
その反応を拝見するたびに、制作してよかったと実感します。
西陣織の重厚な美しさはそのままに、使い心地はどこまでも軽やかに・・・。

写真だけでは伝えきれない、この「ふわっとした持ち心地」を、
ぜひ一度ショールームで体感してみてください。
バッグを持ったまま、つい足取りが軽くなるような感覚を楽しんでいただければ幸いです。