お太鼓に宿る力をそのまま持ってくる

お太鼓に宿る力をそのまま持ってくる

帯作りの上で、神経を使うのが『お太鼓柄』の位置です。
お太鼓は『着姿の顔』とも言われます。

そこにわずかな違和感があるだけで、着姿全体のバランスは崩れてしまう。
それくらい大事です。

だからこそ帯の製織の直前では、
デザインのどの部分をお太鼓の中心に据えるか
この決断は場合によって、驚くほど時間を使っています。


また最近制作する帯の全長を長く織り上げているため、多少ズラすこともできます。結ばれる方の自由ですが、作り手側では設計図で言う点レベルでお太鼓中心の位置を決めています。


◼︎仙福屋の利休バッグ|烏瓜

 

そんな帯地をつかって作る利休バッグの場合、側面をお太鼓に見立てます。また、帯を裁断する際には、一番映える箇所(お太鼓中心)がバッグとしても映えるように、それを強く意識しています。

ちなみに帯のデザインによっては、極端な場合『お太鼓柄での柄付けの帯』では、一本の帯から一つのバッグしか作れないことさえあります。

写真のこの烏瓜の帯も一本の帯からは数をつくれない帯の一つ。


◼︎総紗縫の利休バッグ|ペルシャ花紋

 

余談ですが、帯の制作段階では、このお太鼓の位置について、モノづくり現場では意見が真っ二つに割れることもあります。

前述通り、帯の長さは長くなっているため、ズラすことはできるのですが、それでも着物姿の顔であるお太鼓。大きな問題です。真剣に意見を出し合いますし、揉めることもあります・・・。

さらに余談になりますが、このときに意見が通らなかった場合、利休バッグ上にだけ、自分の思っ ている方のお太鼓を中心にして制作したりすることもあります。

帯の中心を見分けることに、確実な正解はないため、この『利休バッグ上だけのお太鼓中心』、これができたりします(笑)。

 

◼︎南蛮七宝の利休バッグ

帯のお太鼓とバッグの場合のお太鼓、この違いを探す(帯と同柄のバッグを見つけることは、難しいですが)ことも、そこにも作り手の意図や思いが入っていますので、面白いかもしれません。

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記事執筆者 / 五代目仙福屋宗介

となみ織物5代目(専務)