こっそり作楽の新作を制作しています。
(あと裏の縫製で完成)
織は御召緯を通して製織する、『しぼ織』。
柄は『鏡裏文』です。
以前、紹巴織でも制作したデザインですが、再度新しく紋を作り直したもの。
鏡裏文といえば、過去今まで様々な形で山ほど作られてきた意匠の一つです。となみ織物が制作した図案だけでも、振り返ると軽く20−30は超ると思います(一度数えてみたい気はします・・・)。
その中のひと柄ではありますが、この鏡裏図案に関しては色数少なく、古典柄なのにあまり古典していない。モダンさもあり、個人的にとても好きなデザインです。
しぼ織のしぼ感が、昔の鏡の写り具合、明瞭じゃなくフワッとした感じも表現しているようで、雰囲気に沿っているようにも思っています。
ちなみに古代日本において、『鏡』は神の存在や力を象徴し、『物事の真実を映し出す道具』でした。鏡そのものが『悪を退ける力』=魔除けとされています。
さらに、鏡裏にも通じる、見えない部分には力が宿る。とも言われていましたので、その考えに則り、見えない裏地部分には『赤』。これも神社の鳥居に見られるような、魔除け的な意味にとってもらってもよいかな。
多重の意味で制作している、モノづくりです。
職人的に今まで通りのモノづくりはできませんので、一本ずつに意味を込めて、多様なモノづくりができるように心がけていきたいと思っています。
興味を持たれた方が、『へぇ〜』となるくらいで、あまり重くなり過ぎずと思っています。
まずはその第一弾です。