相良刺繍を手にとったとき、最初に目に入るのは、色や柄かもしれません。
けれど少し近づいて見ると、その表面がびっしりと小さな粒で覆われていることに気づきます。
針に糸を巻きつけ、引き抜く。
その一動作で生まれる小さな結び玉を、一粒ずつ、面いっぱいに並べていく。
花びら一枚を埋めるだけでも、数えきれないほどの粒が必要です。
機械で均一な粒を作ることは難しく、今も職人の手仕事によるものです。
私が手掛けている帯地に刺繍を施したシリーズは、汕頭刺繍から始まり、相良刺繍へと種類が増え、今も継続して制作を続けています。キッカケがあったというよりは、気がつけばはまり込んでいた、という表現の方が近いかもしれません。
技術が難しいということは、習得に年月がかかるということでもあります。
後継者が育ちにくく、結果として作れる人が減り続けている、それは相良刺繍に限った話ではありません。
以前この場でご紹介した引箔も、織るのが難しくなってきている技術のひとつです。
細かい柄の織物も難しいですが、その中でも紹巴織の緻密さには特に惹かれます。
たとえば、この伊藤若冲の世界のバラ柄。
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デザインとして好きな柄であることはもちろん、それを織で表現しているだけに、見ていても飽きが来ません。
緻密な筬打ちによって地部分が隆起するようなボリュームを出す金彩織も、技術面では難しい部類に入ります。
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金銀糸を用いた華やかな柄に目が行きますが、帯地の質感はぜひ手に持って確かめていただきたいものです。
手の込んだものづくりが難しくなってきているのは確かです。
けれどその分、出来上がったものを見たとき、手にしたとき、嬉しさもひとしおに感じます。
だからこそ、今作れるうちに、作り続けたいと思っています。
【この記事に登場した商品】
■【紹巴織の懐紙入れ】伊藤若冲の世界/バラVer,1
https://senpukuya.jp/products/kaishi-135
■【紹巴織の懐紙入れ】伊藤若冲の世界/バラVer,2
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