0.3ミリの箔が、柄になるまで。

0.3ミリの箔が、柄になるまで。

先週のインスタライブで、先行発表した数寄屋袋を本日アップしました。
こちらのページよりご覧いただけます。

その中で個人的にも気になっているとお話したのが、こちらの瑞祥錦の数寄屋袋です。

こちらは、デザインはもちろん、素材に使っている「引箔」も見どころです。

引箔は、和紙の上に漆を塗り、金銀の箔などを貼ることで模様を表現して、そこから1寸間に80〜120回裁断しますので、一本が約0.3ミリほどの幅に裁断します。
そして、細かく裁断した箔を、一本一本引き込んで織ることから「引箔」と呼ばれるようになりました。



なお、ここで使っている「1寸」とは、製織現場で用いる「曲尺(かねじゃく)」のこととなります。
着物の世界では尺貫法が使われていますが、採寸やお仕立てをする際に用いるのは「鯨尺(くじらじゃく)」で、 1寸≒3.78cmになります。
一方、曲尺は、1寸≒3.03cmです。
ですので、1寸間に約100回裁断している(≒0.3ミリ)と覚えておいていただくととわかりやすいかもしれません。

元は一枚の和紙に柄を表現してから裁断していますので、順番通りに引いていかないと柄が合わなくなる、裏面は白紙なのでひっくり返らないように引く、もちろん和紙なので切らないように、など、技術的にも難しいというのを感じていただけるでしょうか。


(↑裏から見た引箔になります)


実は、私は引箔はどちらかというと苦手意識を持っていた時期もありました。
思い返すと、フォーマル用の帯が主流だった頃で、どうしても金や銀の主張が強かったのが一因かと。

(あくまでイメージです)

とは言え、最近ではスッキリした雰囲気であったり、落ち着いた色目のモノも増えてきました。
何より、絹糸にはない色や柄の深みを表現できる素材なので、以前とは正反対な印象になっています。




残念なのは、となみ織物でも、引箔を織れる機が減ってきていること。

技術的な問題もありますし、需要が減っているということもありますが、どちらにしても織れなくなるというのは寂しいことです。

引箔を使った角帯は少ないので挑戦してみたい気持ちもありますが、まずは手元に置いておけるアイテムからかなと思っています。

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記事執筆者 / スタッフ中村

となみ織物の中村です。

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