古代から連なる文様/アラベスクのこと

古代から連なる文様/アラベスクのこと

私が好きなデザインに「アラベスク」があります。


アラベスクは、フランス語で「アラビア風の」という意味を持つ言葉ですが、その意匠のルーツはさらに古く、古代エジプトやギリシャの植物文様に起源があるとされています。

7世紀にイスラム教が誕生すると、厳格な偶像崇拝の禁止を背景に、人間や動物の代わりに幾何学図形や、抽象化された植物の蔓(つる)・葉・花を無限に連続させる独自の構成へと発展を遂げました。

この優美な文様が、やがてシルクロードを経て日本へと伝わり、独自の進化を遂げたのが「唐草文様」です。 どこまでも途切れることのない蔓の形から、「長寿」や「子孫繁栄」を象徴する、縁起の良い吉祥文様として今も深く愛されています。


帯のデザインとして特に好きな理由は、上品な雰囲気とコーディネートのしやすさにあります。
仙福屋宗介のページでも、文様別のカテゴリーとしてアラベスクがありますし、アイテムとしても多数ご用意しています。

以前の仙福屋Timesで取り上げた二重織の記事に登場する角帯もそのひとつです。

このシリーズに関しては、シンプルなのに平凡な織り上がりにならないことをコンセプトに、細かい陰影の入れ方などにこだわりました。
そのため、何度も職人と打合せをして、やり直しも多かったな〜ということを思い出します。
たとえばこちらのイスファハン文様の角帯。

できるだけ動きがあるように考えて紋をつくったのですが、経糸のボカシを配色するのに苦しんだ記憶が残っています(苦笑)。


これからの季節におすすめといえば、【紗楽の丸ぐけ帯締め】アラベスク柄でしょうか。


総紗縫+紬糸=紗楽なので、オールシーズン使える帯地で制作していますが、特に単衣から盛夏には活躍する帯締めだと思います。
丸ぐけの帯締めですが、コーディネートのしやすさを考えてやや細めに仕上げているのと、房の臙脂色がアクセントになります。



はるか古代から人々を魅了してきた文様を、仙福屋は今も受け継いでいます。
今年の単衣・夏に、ぜひ取り入れてみてください。

ブログに戻る

記事執筆者 / スタッフ中村

となみ織物の中村です。