『うちの帯は薄くて、軽くて・・・。』を目と手で感じてもらうために

『うちの帯は薄くて、軽くて・・・。』を目と手で感じてもらうために

となみ帯の薄さを体感してもらうところからスタート

どのメーカーさんもする帯の説明の中に、『うちの帯は薄くて、軽くて・・・』という決まり文句みたいなものが、昔からあります。

本当によく聞く話なので、となみ織物としてその話をしても、あまりお客様へ帯の良さが伝わった感じがしません。
では、それを話をせずに目で見て触って、感じてもらえる何かをつくろう。と制作したのが、帯地でつくる『オッティ』です(この名前を知っている人は、なかなかマニアックです)。

『紹巴織のオッティ』

着物地ではちりめん細工など、想像できる通り、よくあると思います。
では帯地のものは?となると・・・
帯地のイメージは、ぶ厚くて重い。柄を作るために糸が複雑に渡っていることもあり、なかなか簡単にはいかない。慣れていない職人さんに帯地を渡すと『えっ、帯地・・・』をためらわれることが多くあります。

そのイメージをとなみ帯で覆すために、帯地の薄さ(できれば、風合いの良さや発色性も見てもらいたい)を感じてもらうために、こういったオッティを制作しました。

随分、定着してきましたが、今でも実物を見て、『えっ、帯なんですか。』と驚いていただくことも多いです。

余談ですが、

このオッティから『紗干支』に広がっていきました。

今年の紗干支・午

『さらに、そのなかでもイレギュラーな鳥』

この紗干支はオッティを見られたお客様から『私の干支は・・・』という話から生まれたもの。1周回って、この午がNo,2になりますので、少なくとも始まって13年経ちます。

帯地の薄さ・風合いを知ってもらう。
この目的から逸れてしまっているような気もして、かなり疑問な部分もありますが、毎年楽しみにして下さる、お客様もおられます。


オッティ・紗干支から扇子へ

紹巴織や総紗縫ではこういったものを作りつつ、総紗縫の帯地に関しては、もう一つしたかったことがあります。それは扇子。

総紗縫の帯地は単なる薄さという面でも、相当なレベルにありますが、扇子にしようとすると、和紙や紙に匹敵する様な薄さとハリ。これが大事です。

自分たちは総紗縫ならできるだろう、と思っていましたが、帯地を使って扇子づくり。最初は『帯地でなんか絶対無理。』と扇子職人からは完全なNGをもらいました。
何度かの交渉と、失敗しても何も言わないのを前提に、まずは何度かの試作→そして制作をお願いしてできたアイテムになります。

お客様の反応

そして、お客様の反応は当初の自分たちと同じ。

すでに総紗縫の薄さを理解されていたため、『まあ、総紗縫だったら、できるだろうな。』的な驚きの反応の薄さ(笑)。

そもそもは、帯地の薄さや軽さを伝えるために、制作し始めたことですので、伝わっているなら、それはそれで嬉しいことか。と納得しています。

今年の夏も暑そうなので、帯も扇子も準備しておきます。

仙福屋の扇子|総紗縫

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記事執筆者 / 五代目仙福屋宗介

となみ織物5代目(専務)