『紗と絽、どちらが格上ですか?』
『どうちがうんですか?』等々と聞かれることがあります。
透け感で言うと、一般的には紗の方が強い。
見た目の涼しさがはっきりしているぶん、軽やかさ=どちらかというとカジュアル寄り。

【紗の着物(南蛮七宝文様)】
絽は綟り織の中に平織りが入るため、透け感は控えめ=礼装寄りにも使える。

【絽の帯揚げ(礼装寄りではありませんが・・・)】
同じ夏帯でも、少し格の方向が違います。と言われています(地方性もあると思いますが・・・)。
では、総紗縫は?と聞かれると・・・
正直に言うと、非常に答え難い。
ジャンル的には、紗や絽糸と同じ『綟り織』の一つには間違いない。
※綟り織は隣合う経糸を綟ることで作る隙間が、透け感を作り出す織物。
そして、それで帯一本を織ると『紗』。平織りの間にこの紗を何回に一回、挟み込むの『絽』です。
この分類で総紗縫は、『紗』になります。
見た目は涼しげ、持つと軽いこと、夏の織物なのは同じ。
【総紗縫の透け感(上下とも総紗縫)】
でも一般的な紗ほどの透け透け感は無い。
言ってみれば、絽よりも少ない透け感。
でも、織物は紗。
なかなか分類のし難い織物です。
また、絽が透け感が少ない=礼装寄り。
それが礼装に使える理由の中心なら、総紗縫でも礼装の柄いきであれば、礼装もいけるはず。
でも織組織は紗なので、カジュアルでも結ぶことができる。
夏に軽い帯として結んでも、冬に薄手の帯として合わせても、浮かない。そういう季節の縛りがない帯です。

【帯の厚みはこれだけ】
こんな風に今まで存在しなかった織物なので、既存の分類に当てはめようとすると、色々とズレが生じてきます。
こんなこともあって、
お客さまから『総紗縫はどんな織物ですか?』
とストレートに聞かれると、かなり答え難い(苦笑)です。
そのまま紗と答えますが、
『でも普通の紗とも違います。』
とややこしくなるような尾ひれも付けてしまいます。
そのあと、上記のどこから説明しようか?
と少し考えてしまいます。
お客様が、着物分類好きな人に出会うことも考えて、
総紗縫で礼装用の柄を『絽』で織っても良いかなぁ・・・。
と考えています。
ただ、通常の紗じゃない総紗縫で織った『絽』。
というまた分類し難い織物が増えるので、
余計ややこしくなるかなぁ。
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