「名刺を入れる、ではなく『包む』という感覚」|絹の名刺入れ

「名刺を入れる、ではなく『包む』という感覚」|絹の名刺入れ

絹の名刺入れ

という名前で帯地を使って名刺入れを制作しています。
最近はようやく定着してきたようで、個人のお客様だけでなく、扱いたいというお店も出てきて、広がりを感じています。

基本的にこの名刺入れ、非常にシンプルで帯地だけをつかって、シンプルに縫製してつくる、帯という素材を十二分に活かそうとしてつくるアイテムになります。


ケルト文様をつかった帯地|絹の名刺入れ

制作のキッカケ

そもそもこの名刺入れを作り始めた理由は、自分が使いたい。という以外にもいくつかあり、その一つには、お客様が帯を触れられたときの『絹』への反応にあります。


絹の染め糸

仕方がありませんが、最近は日常生活では絹、絹織物に触るきっかけはほとんどなく、身近なものとは言えなくなっています。自分たちはこの絹に毎日触り、どちらかと言えば、綿や麻、ポリエステルに触る方が珍しい。

そんな業界にいますので、この絹の良さ、風合いや発色などを知ってもらいたい。帯だけに留めておくのが勿体ないと感じました。
そして、普段触って頂けるもの、名刺入れを制作することにしました。

こだわり|帯地のやわらかさをそのまま

とは言っても、制作は簡単にはいきません。
当初、何人かの縫製職人さんを当たりましたが、そのほとんどが芯を入れて、ミリ単位で角がピシッとした名刺入れを制作されていました。
それはそれで仙福屋でも制作していますが、作りたかったのは絹の織物の良さ、素材を活かした風合いや柔らかさを直接感じることができるアイテムです。

そのため、制作への注文は・・・
『芯は入れない』
『柔らかい』
『絹織物の帯を触ったそのままを保ちつこと。』といったもの。

そうすると、縫える職人さんは慣れておらず、なかなか進みません。
『帯地だけで作るのは、ちょっと心許ない・・・。』等々意見もあったため、仕様の変更も含め、試作を続けた結果、現在の形に至ります。
そこには職人さんには大変苦労して頂き、本当に感謝しています。


紹巴織の名刺入れ

様々な要素があり、制作の結果、出来上がったアイテムは・・・
名刺入れに名刺を入れる。というよりも『名刺を包んでおくもの。』そんな柔らかなイメージを持ったアイテムになりました。

これは経錦の名刺入れ

着物のときにそっと帯に挟んでおくこともできます。
また、スーツ姿の無機質なカードケースも素敵ですが、帯地の中から出てくる名刺もなかなかのもんです。

地道からもしれませんが、そんなところもからも絹織物、となみ織物のモノづくりを感じて頂ければ、嬉しいです。

最近は、この金彩織の名刺入れも制作できるようなりました。

制作は難しいですが、重厚感が大きな特徴

絹の名刺入れ|Online仙福屋


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記事執筆者 / 五代目仙福屋宗介

となみ織物5代目(専務)