『最後の追い込み』
10/12 TKCとなみ織物きものショーに向けて最後の追い込み中です。
前回との大きな違いは、羽織を女性用で8枚、男性用で2枚制作したことです。帯・着物を中心に考える着姿から考えると、羽織はかなり実験的な、やってみたいモノづくりを加えることができます。
そのため、羽織の配色や柄のサイズ、素材等は遊びました。遊びすぎたモノに関しては次のモノづくりに繋がる的に考えて進めました。
どうしてもやり過ぎたものもあります。それに関しては、制作し直すわけにはいかないので、羽織着物以外での調整、写真の男物の場合は角帯で合わせて・・・。それも含めてのショーとなります。
次のメルマガではショーも終了、動画もUPされていますので、その辺りも交えてご報告できると思います。楽しみにしていて下さい。
9/9 絞りの絵羽/帽子絞り・杢目絞り

着物ショー、一番最初に登場する着物になります。帽子絞りで制作したモノトーンに近い着物。
現在、ショーのモノづくりは終了しましたが、総じてモノづくりの途中、何度もハプニングがありました。が、ほぼすべてが結果、良い方向に持っていくことができました(職人さんの経験値のお陰です)。
たとえば、この着物では致命的な問題が発生。
それは柄部分の絞りが甘くなり(これは技術的な問題ではなく表現上の失敗)、絞りの中にあるグレー、これが全体に入ってしまいました。当初の完成イメージでは、白と黒に近い濃い藍色との2色で構成した着物というものでしたが、それが全体がグレーでの仕上がりになったため、一旦はショーに出すことを止めにしました。
そこから再度、手を加えました。写真で白く上がっている部分以外を防染し、白い箇所(このときはグレー)を抜染。白く色を抜きました。
そうしたことで、白と濃い藍、絞りの中のグレー。3色で構成された着物として完成となりました。失敗だと思ったいた、グレーが柄の中に入ることで奥行きになり、かえって当初予定のものよりも完成度が上がった結果に。
そのため、、ショー登場圏外から、1番目に登場の着物となりました。あまり無い例です。
Threads/この段階では、この結果は想像できません
https://www.threads.net/@tonamiorimono/post/C-82GgSyqmM/?xmt=AQGzHrbrRz_nWjyLSUQi0Q2EMBrS-B3GuLIGFZIlDJ-jMQ
9/19 総紗縫の新しい形
総紗縫は、経糸同士を交差させることで透け感をつくる綟織の一つ。これが大きな特徴で、他の織物にはできないことです。
書き方が難しいですが、この土台がある分、織物の遊びは少なく表現力の種類が少ない、ように見えていました。紬を通したり、糸種を変化させたり、工夫をした総紗縫もあります。
今回は、緯糸の使い方、色を増やしていく通常の足し算ではなく、引き算。柄部分の糸を抜いていく、減らしていくモノづくりを考え、形にしてみました。
簡単に書くと、従来の総紗縫は地部分が透けます。今回は、主に柄が透ける。そんな総紗縫の帯です。この柄が、そのひと柄目。順次柄を考えていますので、楽しみにしていて下さい。
9/20 ちょっと横道に逸れてみたモノづくり
反物の幅に鹿の子絞りが43個詰まった絞りの白生地をつかって依頼を頂いた生地の復元をしています。
だんだん、こういったモノづくりが無くなっていますので、受けようか、止めておこうか、というような時は受けるようにしています。
職人さんも、総絞りは久しぶりに見たなあ〜的な反応が返ってきます。以前、南蛮七宝の御召をつかって、絞りをするところからのモノづくりをしたことがありました。そのときは、今後もうできない、と半分冗談っぽく職人さんから言われたことが、今は現実となっています。
最近は、そういったことが以前よりも大幅に加速しています。怖いです。
9/24 あまみーいろの帯
西村さんとつくる大島紬/あまみーいろ。このモノづくりは、西村さん自身が素材を採取、染料を煮出し、染色をした糸を使って、製織(ここだけは織り子さん)します。
ここで使われる糸は大島紬用ですが、それを帯糸にして西村さんに染色してもらったのが、写真の糸。あまみーいろの帯をつくる構想自体は、あまみーいろのモノづくりが始まった頃からありましたが、ようやく形になりました。
とは言っても、通常の帯糸とちがって、草木染めです。こちらが欲しい色と素材が採取できる時期が異なります。採取から、染料を寝かしたりと、物理的に染める時間もかかります。
そのため、すぐには織ることができず、さらに毎回同じような色であっても、厳密には異なるため、色合わせにも時間がかかる。と、シンプルなデザインでも一本の帯を上げるには、何倍も時間がかかります。
リンク先は九寸名古屋帯の帯
https://www.instagram.com/p/C9eGEGpPqjv/?igsh=ZmVwMWI3Z2pkeGtq
そんなこともあり、今のところ多くの方には紹介できていません。あまみーいろの大島紬のときと同じように、ゆっくり皆さんにモノづくりを知ってもらいながら、反響を形にする。そんな風に進めていきたいと思っています。
八寸と九寸名古屋帯の2種類、現在制作中です。
西村公一氏/あまみーいろインタビュー
https://youtu.be/Vvx5VHSrIik
9/26 雑談コーデライブ編集版
先日、恒例の雑談コーデでインスタライブを行いました。1時間近くやっていたので、編集をして約30分に。それでもいつもよりも長いので、前編後編に分けました。着物はちょっと特殊な作楽一楽。そのできた過程話も少し入っています。たくさんの帯とコーディネートしましたので、私たちも楽しんでいます(だから雑談がいつもよりも多い)。またやりたいと思います。
雑談コーデ番外編d
https://youtu.be/m6CV1xeew0Y