10月のモノづくり

10月のモノづくり

丹後

丹後で白生地の求評会があり、その流れで1日掛けてモノづくりの現場を回ってきました。どの産地も同じですが、やはりモノづくりの現場はこれ以上ないほど疲弊しています。

それに対して機屋として求められていることは、モノづくり。これに尽きます。それを皆さんに見て、着物として着て頂く、これを続けていくしかないな、と思います。

今年もあっという間に11月。残り2ヶ月頑張っていきます。


10/15 星々の舞/帯揚げ

このデザインはまず帯の図案から。

そこから帯を製織して織の帯。その次は、刺繍帯。それから、型を彫ってまず、襦袢。その次に制作した帯揚げです。この後、小紋に繋げていこう、と思っています。

図案を制作したのは、少し昔。そこからある意味発掘したデザイン。この星々の名前も、当初は『インドテキスタイル』と大きな名前が付いていました。そのため、新たに命名してみました。

となみ織物社内には数万のデザインがありますので、こんな風に一つずつ、デザインを残して行けるようにモノづくりしたいと思っています。

星々の舞/ショート動画

インドテキスタイルのお太鼓ポーチ


10/28 真珠箔

写真は『箔』。

緯糸として織り込む素材です。真珠を蒸着させて箔としてつかったもの。以前、ほぼ同じ素材の引箔で帯を製織していました。その時は、訪問着などのほぼ礼装用としての帯でした。

今回は完全に礼装用ではないですが、ほぼ無地。そんな帯を作ろうとしています。プラチナかこの真珠箔、それを使ってのモノづくり。

まだ1柄目の図案を制作しているところ、年内は無理にしても今期内は形にできれば・・・

そんなモノづくりです。


10/29 角花文様の御召

非常に説明がしにくい、この御召。

通常の仙福屋御召とは少し違って、試験として限界まで糸を細く減らしてみました。これ以上、この織方では薄くできないところまでした結果、夏物なのか?通常の単衣袷物なのか?分らないくらい薄い御召です。

そして、文様は唐長文様の角花。和の文様ですが、洋の空気を持つ、上品なデザインです。また絹の光沢とわずかな透け感、これもまた文様に品を与えてくれるため、とにかく美しい作品となっています。


10/30 いちごの帯/名前はichibiko (いちびこ)

今までの金彩帯とは異なって、少し遊んでみた帯です(モノづくりは真剣に)。ベースとなる帯は、御召緯を織り込み、縮めることで帯地表面しぼを表現する「しぼ織』。

さらに織物の設計段階で、さざ波の様に非常に細く降起させた新しい織り地に、金彩でイチゴを置いています。

イチゴの種部分には先に筒で糊を置き、少し立体感を持たせ、ヘタには焼箔を使い、それぞれの表現を変えアクセントを。

また、名前の「いちびこ」は奈良時代に編纂された日本書にある、イチゴの古名。イチは優れている、美しいの意。ビコは実を表しています。

白地も作ろうかなぁと考えていて、基本的に同色は作らず、皆さんの反応を確かめながらモノづくりしていきたいと思っています。

となみ織物Instagram/ichibikoの紹介


◼︎雑談コーデ #70

今回の雑談コーデは、御召。

新しい着物のシリーズ『あーとりずむ』、作家デザインの着物から今回の着物のように古典柄にアレンジを加えたものなど、かなり幅広いモノづくりとなっています。

合わせる帯は1本目が作楽シリーズのモノトーン八寸名古屋帯。2本目金唐革織(動画ではなかなか色が出ない帯です・・・)。この辺りもこれからの新作になります。

雑談コーデ#70-前編
https://youtu.be/dMRmA1I3bNg

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