『11月末 堀川通』
今年は暑い時期が長かったせいか、赤や黄色を通り越して枯れはじめているところも。すこし心配していましたが、イチョウの黄色が入り、例年以上に色豊かな紅葉を楽しむことができています。
観光客で街中は凄いことになっていますが、西陣は比較的静かで着物日和が続いています。
今回は今年後半のモノづくりが徐々に形になっている。そんな話ばかりになっています。
11月5日 アリスシリーズ

帯揚げの人気から再び要望を頂いているアリスシリーズ。
◼︎アリス帯揚げ/Online仙福屋
→ https://senpukuya.jp/products/obiage-222
相当昔に意匠図を制作した総紗縫のアリス柄を再び制作中です。帯は文字を重ねたデザインになっていて、敢えてハッキリわからない様にしていました。
今回はスッキリさせようと、まず配色を変えて(黒の地色に金で柄)織っています。
もう少し配色の修正して本番に入るか、紋自体の手直しをするか、見極めが必要かな、と考えています。
総紗縫のデザイン自体、数百柄があります。過去に制作時には無かった配色や糸使いもありますので、その辺りももう一度モノづくりに検討をしようと思っています。
もちろん、単なる焼き直しではなく、手を加えながら新しい総紗縫を模索する、残りの今年と来年前半でやっていきたいと思っています。
11月9日 本袋推し
来年以降推していきたい帯がこの本袋シリーズ。季節的には夏以外ですので、今人気の総紗縫やしぼ織とも表現力の方向も異なることから、上手く棲み分けはできると思います。
まだまだ認知度が低いですが、結んだ方からはかなりの絶賛を頂いているので、帯の持つ魅力の伝え方が上手くいっていないと感じています。
◼︎ひっくり返す動画
→ https://youtu.be/VFLd8vsFLC4
このひっくり返す動画も含め、技法的に説明が先行しすぎて、風合いや結びやすさ、柄の表現力。結ばれた方の満足度の高さとは違った部分に光を当てすぎているかもしれません。
裏と表が一体になった織物の素晴らしさ、今年と来年以降伝えられる様に頑張っていきます。
11月11日 紹巴引箔
紹巴織引箔という、ある意味一番難しい織物。そこの表現の幅を広げるために製織した帯になります。
今までこの織組織では使っていない素材を織り込み、まだクセが掴みきれていないため、もう少し全貌は謎にしておこうと思っています。凄いモノづくりになるかも・・・
15日 タイル織
紅村帯/夏しぼや松皮染など、織りと染めでつくるモノづくり。さらにそこへこのタイル織が加わります。
ショーでも2つ登場していました。
No,9 北斎波/名古屋帯
https://youtube.com/shorts/S3n_NrMw1LQ
No,19 オオバタン/袋帯
https://youtube.com/shorts/lPv-VOVCOCQ
今回は若冲の白象を制作。
糊で防染をして、地色を染め、それから防染部分に染め。今回は柄部分を描くのではなく、白象の白は生地の白を活かした、少し変化させたモノづくりです。
まだ評価数が少ないため、もう少し形にしながら方向性も決めていく予定です。
上記と同じタイル織ですが、こちらは織りのみで制作。お月さまの柄。
染めは入らず箔と糸のみ、糸の上げ方・織り方でお月様内の濃淡を表現してみました。必要最小限の糸使いだけで、どこまでの濃淡が表現できるのか?ということが見たい、そんな試験織的な要素もありつつのモノづくりになりました。
ちなみに、経が箔の織物は、となみ織物ではこの織組織のみ。製織がかなりゆっくりな織物のため、試験をしようにもかなり時間が長いため、一度にある程度極端なことをして、その調整をする。そんなモノづくりです。
そのため、面白いモノができる可能性が比較的に高い、楽しみなおモノ作りです。これからもちょこちょこ上がってくると思います。
となみ織物Instagramのストーリーでもその辺りは、流していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
◼︎となみ織物Instagram
https://www.instagram.com/tonamiorimono
11月28日 防寒雨草履
暑い間は全く需要がないため、早い者勝ちみたいになっています。今年の分は早くも完売。今、新たに発注をしているものが1月中旬くらいに入ってきます。
年々制作できる職人、数も減ってきているので、お早めに。上がり次第お知らせいたします。
◼︎防寒雨草履/Online仙福屋