新年会の会場から/犬山城
昨年末からほぼ京都を出ず、モノづくり中心の生活を送っています。
特に、本袋と経箔のタイル織、この2つに力を入れています。
職人が減っているため、今までできたことができなくなる。それは当然あります。ただ、無くなっていくものも沢山あるけど、昨年末からはそれ以上に新しいモノを生み出す。それを心掛けることで、モノづくりの現場も変わってきたような感じがしますので、今年はそれをさらに頑張っていきたいと思っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
1/10 タイル帯3本目

タイル織、初挑戦の職人さんにお願いした赤富士。
こちらの帯の場合、染めはタイル目に極力沿って染色。マス目を強調しています。そのために、マス目部分に出る箔は黒を使用して織り上げています。
この辺りは誰にも気づかれず、自分の中だけのモノづくりになりそうな気もしますが、もう少し進めながら練っていく予定です
ちなみに、ショーで使用したオオバタンや次の白象はタイル目は白(銀)。この辺りも使い分けをしつつ、新たなものづくりを探っていきます。
◼︎オオバタン帯/TKC
https://youtube.com/shorts/lPv-VOVCOCQ
1/15 ある時にしかない防寒雨草履。
昨年は制作できず、今年は少しだけつくりました。
制作には非常に時間がかかるため、納期が読めない。
それが後手後手になる理由ですが、在庫にないと問い合わせがたくさん来てしまう、嬉しいような困ったようなアイテムです。
当然、皆さん雪が降り始めてから動き出されますので、最近の温暖化から、急に寒さが来るため、色々間に合わないアイテムだったりします。
今年は、南蛮七宝文様を中心に制作。雨草履としても使用して頂けるため、もし興味をお持ちの方は、ぜひ。
帯地をコーティングした仙福屋オリジナルの防寒雨草履です。
◼︎仙福屋の防寒雨草履
https://senpukuya.jp/collections/595
1/18 タイル帯2本目/白象

経糸を箔で製織する、タイル織。
2本目は若冲の白象、この着姿を見る機会がありましたので、思わず撮影。ちなみに着物もたまたま、タイル状のものをお持ちでしたので、それを合わせてみたとのこと。面白いお洒落コーデでした。
このタイル織。以前も書いていましたが、染め段階で躓くことが多く、職人が避けていきます(苦笑)。それでも、仕上がりはとても評判が良いため、職人と話をしつつ、やっています。
さらに新たな職人も探しつつ(上の赤富士参照)、まだ試行錯誤です。
このタイル織シリーズは、織+染めの場合、印象的なデザインを中心に。織のみの場合はマス目をタイルに見立てて、シンプルなモノづくりでしばらくは進めていきます。
試行錯誤の山です。
1/24 中野大輔の世界/名古屋帯制作 12柄目
日本画家 中野大輔氏の作品を名古屋帯として制作しています。1年の花、12柄を織物として制作、そのモノづくりもいよいよ終盤となりました。
日本画の作品では、非常に繊細で緻密な表現をされていますので、織れる織物は、ほぼ紹巴織のみ。配色も糸同士を混ぜ合わせることで、中間色をつくり、それでぼかしを表現することで、原本の空気感を作り出そうとしています。
一番最近のモノづくりでは、写真の柄。このシリーズでは珍しく、しぼ織で意匠図を作成。織物の細密さの限度ギリギリのため、糸が表に出ず、キズになったり、手直しを何度かしながら完成です。
写真は完成前最後の配色チェック中(柄と地色を2色4パターンで製織)の段階。
ようやく一区切りです。
1/27 雑談コーデ#52
今年最初の雑談コーデは縮緬縞の御召をつかって。
縮緬縞の御召は、御召緯をつかって、着物地表面にしぼをつけています。このしぼと織の陰影で板木の持つ、文様の経年劣化感を表現。この着物の一番の肝部分です。
この織組織の構造もあって、経糸の色が配色に大きく影響を与え、あまりバリエーションを制作することが難しいのが、縮緬縞。
そのため、今回のグレー系の色は数量限定。その反物でのコーディネートです。
帯は、〆は本袋。一本目は最近上がってきた、アリス総紗縫。2本目は中野大輔の世界/節分草(名古屋帯)。冬のコーディネートということで、防寒草履にビロードのコートも合わせています。
◼︎雑談コーデ#52/縮緬縞新色
https://youtu.be/OO4yAjjO7gE