この仙福屋の日傘、なかなか数奇な感じで制作を続けています。
最初は、非常に正反を上げるのが難しかった、総紗縫。
この帯地をいかに使うか?ここから始まりました。
単に小物を作るだけでは勿体無い、ということで、
総紗縫の特徴、絶妙な透け感、これが伝わるものが良い。
挙がった中の一つがこの日傘になります。
ただし、当初は帯地を日傘にするのは非常に難しく。
現物の帯地を見る前に、『帯地はぜったいに無理。』と断られます。
全然違う帯地だからといっても、前段階の話だけで断れる始末。
そのため、個人で傘を作られていた職人さんに
まず見本で一本、失敗しても良いからという条件で制作してもらうところから。
まず、帯地でもできるだろう。
これを他の職人さんに見てもらうための見本作りからスタートです。
それができても、なかなか他では制作してもらえず、
最初の職人さんにゆっくり制作してもらうところからのモノ作りでした。
◼︎総紗縫の日傘
https://senpukuya.jp/collections/170
しばらくして、その職人さんも引退。
じゃ、次は・・・
同じようなことを他の職人さんでも繰り返し、
ようやく現在に辿り着きましたが、帯地をカットするのは、
失敗のリスクを考えると、なかなか気が進まないと今でもたまに言われます。
最近は浴衣でも、いつでもお使い頂いている、総紗縫の日傘。
一本制作するのに帯地が相当量要ります。
採算はあっていませんが、いまだに総紗縫の絶妙な透け感。
これを感じて頂くにはとても良いアイテムのひとつだと思って、
これから続けていきたいと思います。
あと、日傘には関係ありませんが、浴衣に最近この麻帯板が人気です。
