少ないと言っても着物や帯のデザインに流行はあります。
そして、その中で役目を終える場面に出会すことも。
たとえば、礼装用帯。留袖をはじめ、礼装用のモノづくり。以前はある一定以上の需要はありましたが、現在は極端に少なくなりました。
専ら礼装専用のような機は減り、その代わりに夏や単衣物を織れる機。お洒落ものを織り易い機に置き替わっています。
今回の不明にしたい織組織は、その置き換わろうor無くなろうとしている機に対してです。もう一度0ベースで考えて取り組めば面白いモノづくりができるかもしれない。
そんな気持ちがキッカケでスタートしました。
具体的な織物は、いわゆる佐賀錦。経糸が通常の糸とは違って『箔』を使う織物。西陣では典型的な礼装用の機になります。
まず、最初に取り組んだのは、タイル織り。
経糸の箔を枡目やハニカム状で表に出し、それを柄にします。

◼︎雑談コーデ#53-前編
https://youtu.be/4ubFTiu-nmw
この帯では、まずハニカムの目は箔。
お月様部分は紬糸と通常の絹糸を混在させて、さまざまな表情で表に出しました。
月のクレーターのような感じで箔と糸、紬糸の上がりを見ることができます。
これが一つの形。
もう一つは、箔部分(枡目もしくはハニカム)以外には紬糸を表に出し、無地で織り上げます。
こうすることで、染めも加えた表現をすることが可能に。
箔の部分には色が乗りにくく、それが面白い効果・表現となります。
デザインに関しては、江戸期の日本画家を中心に作品を筆で描こうと考えています。

例えば、曾我蕭白『亀仙人』
ただ、現在のとこと夏や単衣物が全盛期ですので、こういった帯にどこまで需要があるのか?これを確認する意味でも、少しずつ進めています。
ちなみに初見でのこれらの帯は、となみスタッフでも何の織物か?どうやって織られているのか、判らなかった。そんなモノづくりでした。
◼︎お月様/タイル織り
https://senpukuya.jp/products/obi-na-40
◼︎遠州経巻一本独鈷/帯締め
https://senpukuya.jp/products/obijime-230
◼︎オールシーズン金彩箔ちらし
https://senpukuya.jp/products/obiage-106